Vol.113 ハーブはED改善に効果があるのか?

バイアグラが、世界で初めてのED治療薬としてアメリカで販売されたのは1998年の出来事でした。しかし、このような治療薬が生まれる以前から人々の間では民間療法のような形でEDや精力減退への対策が考えられてきました。特に、ハーブによる精力増強効果は、医薬品が確立される以前から、経験則的に知られていたところです。

そして現在、様々なハーブのもつ精力増強効果は科学的に解明されつつあります。「Recent studies on aphrodisiac herbs for the management of male sexual dysfunction – a review」という論文では、多種多様なハーブの精力増強効果を科学的に検証した結果がまとめられています。

例えば、“マカ”などは精力剤の成分として耳にすることも多いハーブではないでしょうか。南米ペルーにおいて、標高4000〜5000mの高地で栽培されるこの植物は、古くからアンデス地域で生殖能力を高める植物とされてきました。炭水化物、タンパク質、食物繊維、脂質と栄養たっぷりのマカには、必須アミノ酸も豊富に含まれています。マカの精力増強効果の秘密はこの必須アミノ酸のうちのアルギニンという成分によるものあることが明らかとなっています。また、カンペステロールやスチグマステロール、シトステロールという成分も勃起力を高めることがわかっています。ラットを使った動物実験においては、マカの摂取によって精子数が増加するということも実際に解明されています。

花粉が男性不妊の伝統的療法に用いられてきたナツメヤシには、精子の質に好影響を及ぼすエストラジオールやフラボノイドが含まれていることがわかっています。こちらもラットを使った実験で、ナツメヤシの花粉が精子の数や運動率、正常形態率を向上させ、精巣や精巣上体の重量を増加させることが示されています。

アルカロイド、サポニン、アントラキノン、フラボノイドなどの成分を含んでいるアカネ科のハーブからは、ラットの行動変化への効果も観察されているようです。このハーブによって、雄ラットの乗駕(マウンティング)までの時間・挿入までの時間が短くなり、乗駕頻度・挿入頻度が増加したという結果が示されています。また、男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度も上昇し、射精までの時間も延長していたことが分かっています。

この他にも、ナツメグやハマビシ、クロッカス、トンガット・アリ、ツルハナモツヤクノキなど聞き慣れないハーブを含めた多くの植物の効果が検証されています。ハーブによる効果は、性欲を高めるものや生殖能力自体を高めるものなど、様々です。

古くから長きにわたって使用されてきたハーブは、副作用が少ない治療法として着目されています。正式に承認されている治療薬が製造、販売される以前から使われてきたハーブは、現在、新たな治療薬を生み出す可能性もあります。
しかし、基本的にはある程度の期間使用して効果を期待するものであり、一粒飲めば効果が絶大といった類のものではありません。
かなり多くのサプリメントは即効性があると誤解されるような宣伝をしていますので注意が必要です。
ハーブやサプリなどを飲んですぐに改善するのは純粋な心因性EDぐらいだと思います。
基本的にはED治療の主となる治療はED治療薬を用いたものであり、ハーブなどは補助的な要素と考えて現状では使用すべきでしょう。


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