Vol.16 押尾被告で有名なMDMAとEDの関係

MDMAは正式にはメチレンジオキシメタンフェタミン、通称エクスタシーとも呼ばれている合成麻薬の一種です。錠剤型で使用しやすいことから、使用者が非常に多いといわれている違法ドラッグです。
押尾被告が使用した事件により、非常に注目されることになりました。MDMA使用の特徴はなんと言っても、多幸感と言われています。その多幸感と錠剤という簡便さからドラッグSEXに用いられることも多いようです。
しかし、MDMAの使用により、さまざまな副作用も生じ、不整脈や腎不全などの報告もあります。
イメージ的にはセックスドラッグとも考えられていますが、実際の性機能への影響はどうなっているのでしょうか?
The Journal of Sexual Medicineという雑誌に2009年にSexual dysfunction in men who abuse illicit drugs: a preliminary report. という論文が掲載されています。
大雑把に訳しますと「違法ドラッグを濫用する男性の性機能障害」というタイトルです。
この研究の中で、違法薬物全般に加え、特に使用者が多かったヘロインとアンフェタミン(覚せい剤)とMDMAについて、それぞれの男性機能障害への影響を調べています。
701人の薬物濫用者(平均35.4歳)を対象に調べた結果、違法薬物乱用者の36.4%がEDであったということです。
さらに、EDになりやすさとしてはヘロイン、アンフェタミン、MDMAの順でした。
性欲の減少は38.6%で見られヘロインが最多、逆に性欲の増加は18.4%で見られ、アンフェタミンが最多でした。
全体の傾向として、薬物乱用者は意外なことに性欲が減少するようです。
射精までの時間は薬物乱用者の中では49.9%で長くなり、14.3%では短くなったとのことです。
まとめますと、ドラッグは意外にも性欲を抑える傾向があり、EDとなる可能性が高く、特に、その傾向はヘロインで強いようです。
射精までの時間は若干、違法ドラッグ濫用者は伸びる傾向があるようです。
海外の論文では、MDMAなどのドラッグ濫用者が、バイアグラなどのED治療薬を併用しているケースがあるという指摘をしているものもあります。
EDは治療を要する病気ではありますが、違法ドラッグによっておきたものをED治療薬で改善させて、ドラッグセックスをするのがいいわけがありません。
本来、十分なはずのED治療薬の安全性を、違法ドラッグ併用により損なう可能性もあります。
実際に日本でも違法ドラッグとED治療薬を併用している人たちがいるかもしれませんが、本当に危険なのでやめたほうがいいでしょう。
違法ドラッグは製造過程で有効成分がどの程度混入されているかもわかりません。さらに不純物、有害物質の混入も非常に多いとされています。
一見、同じサイズのMDMA錠でも含有量が全く違う可能性もあるわけです。つまり、適度な量(違法ドラッグに適度もおかしいですが・・・)を自分で判断するなどできるわけがないということです。
前回5錠飲んで平気だったからといっても、次に飲む錠剤のMDMA含有量は3倍かもしれない・・・。常にオーバードーズの可能性があるということです。
とにかく大事なことは、違法ドラッグには決して手を出さないことですね。