Vol.32 シアリスは2型糖尿病を改善させる

シアリスは長時間作用型のED治療薬であり、副作用の少なさや食事の影響を受けにくいのも特徴です。ED以外の病気にも有効なのではと考えられており、海外でも様々な論文が発表されています。
今回はシアリスが2型糖尿病に有益な効果をもたらしたという研究を紹介したいと思います。
まず、糖尿病は1型と2型に分類されます。詳細な説明は省きますが、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が根本的に不足しているために血糖値が上昇するのが1型、インスリンの量は十分出ていても効きにくいために、血糖が上がるのが2型と考えると分かりやすいかもしれませんね(実際はもっと複雑です)。2型糖尿病でインスリンが効きにくいという状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。インスリン抵抗性の原因としては主に肥満などが考えられます。
太った状態が続く→インスリン抵抗性が増す→血糖値が上昇する→糖尿病になる
この悪循環を断ち切るために、食事や運動療法などで減量が必要になるわけです。
1型に関してはインスリン自体がもともと作りにくいため、インスリンを自己注射する以外には治療法はありません。
2010年のDiabetologiaという雑誌に「Tadalafil increases muscle capillary recruitment and forearm glucose uptake in women with type 2 diabetes」という報告があります。
この中で、シアリス20㎎の内服で末梢レベルでのブドウ糖の取り込みが偽薬群と比べて上昇していました。その際の血中インスリン濃度は変わっていませんでしたから、ブドウ糖の細胞への取り込みが上昇するということは即ち、インスリンの効きが良くなるということです。つまりインスリン抵抗性が改善されたということです。
ただし、ブドウ糖を負荷した場合は、この効果は認められなかったということですので、食後の高血糖に対しては効果がなさそうですね。
筆者らは、このインスリン抵抗性改善の原因については、骨格筋の毛細血管レベルでの血液循環がシアリスにより改善したためであろうと考えているようです。
とても興味深いデータなのですが、タイトルに書いてある通り女性が対象になっていますのでご注意ください。
今後も、様々な分野でシアリスなどのPDE5阻害薬の効果が実証されてくるのではないでしょうか。