Vol.50 シアリスと肺高血圧症

ED治療薬はPDE5阻害薬という薬です。血管拡張作用を持つこれらの薬はEDを改善するだけでなく、その他の病気にも有効であることが報告されています。例えば前立腺肥大などには有効であるという報告もあり、実際に外来でもシアリスを飲むと尿の出がよくなったり、頻尿の症状が治まるという方も見受けられます。
現在、シアリスの前立腺肥大症への適応を得るために治験が行われているようですが、実際の保険適応へはまだ時間がかかると思われます。
一方、シアリスは別の商品名で、肺高血圧症という病気に対して保険適応となっています。
肺高血圧症とは肺の血管抵抗が上がることで、心臓から肺への血流が悪くなるという病気です。一種の慢性心不全状態ともいえる病気で、この病気は非常に治療抵抗性であることが多く、なかなか有効な治療効果が得られないことも多いです。
肺高血圧症に対しての商品名はアドシルカとなっていますが、一般名はタダラフィル、要するにシアリスです。
興味深いことにED治療薬としてのタダラフィルの投与量は1日20㎎までですが、肺高血圧症においては1日40㎎の連日投与となっています。シアリス20㎎を毎日2錠ずつ飲むのと一緒なわけです。
心不全に近い状態の病気で、そんなに飲んで大丈夫なのかと心配するかもしれませんが、ED治療薬の元祖であるバイアグラは本来心不全治療のために開発されていたという経緯もあります。
改めてED治療薬の心肺機能改善効果がわかりますし、安全性の高さが証明されたといえるのではないでしょうか。
ただし、いくら安全性が高いからといっても、シアリスは1日20㎎までにしてください。
病気や症状ごとに適切な量というものがありますので。