Vol.74 亜鉛サプリメントの吸収率の違い(後編)

前回のコラム、Vol.73亜鉛サプリメントの吸収率の違い(前編)に引き続き、亜鉛の存在様式による吸収率の違いについてご紹介します。

硫酸亜鉛や酸化亜鉛などの無機亜鉛の吸収率は比較的高く、食事がとれない入院患者さまに対する経腸栄養剤として医療現場で使用されているほか、母乳代替食品にも含まれています。また、海外では市販のシリアルにも添加されており、安全性が高い添加物ということからGRAS添加物(generally regarded as safeの略)と呼ばれています。日本では無機亜鉛は市販のサプリメントに使用することは認められておらず、一般の方がサプリメントや添加食品から服用することは基本的にはありません。

亜鉛を豊富に含む培地で培養した酵母菌を食品に添加することは認められていることから、国内では酵母亜鉛という形で多くの食品やサプリメントに亜鉛が添加されています。酵母亜鉛の問題点としては、独特の酵母臭があるほか、酵母亜鉛は熱処理して酵母の細胞壁を破壊しないと吸収できないため、各メーカーの処理技術次第で同じ分量が含まれていても薬効が大きく異なってしまうことが挙げられます。せっかく変な臭いのするサプリメントを飲んだのに、全然吸収されていなかったということも考えられます。

有機亜鉛には多くの種類がありますが、代表的なものにグルコン酸亜鉛とアミノ酸亜鉛があります。グルコン酸亜鉛は粉ミルクなどに添加されており、比較的吸収に優れています。粉ミルクに使用されるところから安全性に関しても確立しています。
一方、アミノ酸亜鉛は吸収に非常に優れています。当院で扱っているポラプレジンク錠はこのアミノ酸亜鉛の中のL-カルノシン錯体構造の亜鉛製剤ですが、空腹時に服用すれば吸収率が50~60%と高く、食事中のその他の成分に吸収を阻害される心配もありません。ポラプレジンクは本来、日本の保険医療制度では胃潰瘍の治療薬として使用されていますが、適応外処方の形で亜鉛欠乏症に対して日常診療でも処方されており、有効例の報告も多くなされています。ちなみにポラプレジンク錠は、本家プロマックD錠のジェネリック医薬品です。

最後に食物中の亜鉛ですが、平均吸収率が30~40%程度であることは以前のコラムで紹介したとおりです。

以上のように、亜鉛はその存在様式によってヒトの腸管での吸収しやすさが大きく異なります。当院で亜鉛サプリメントとして扱っているポラプレジンクは吸収率が50~60%と報告されていますので、食事の内容に左右されず、より確実に亜鉛を補給できる医薬品として特に原因が思い当たらないEDの症状や突然の性欲減退が見られた場合にお勧めします。


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