Vol.77 早漏(PE)とED

EDはerectile dysfunctionの略で、勃起不全という意味です。バイアグラ、レビトラ、シアリスによって良好にED外来を行っていると、かなりの患者さんがEDだけでなく、早漏にも悩んでいることが多いのに気づきます。
早漏は英語ではpremature ejaculationと表現されます。ED同様に略して「PE」と表現されることも増えてきており、今後は日本でも浸透していく可能性があるでしょう。
PE(早漏)の原因は多々ありますし、昔から射精までにかかる時間が短い方も当然いると思います。しかし、EDに合併するPEの特徴として、注目したいポイントがあります。
外来でPEについても相談される場合、よく聞くセリフとしては「昔は違ったのに、EDの症状が出始めてから急に早漏気味になってきて困っている…」というものです。
EDになるとPEの症状が出やすくなるのには、何か理由があるんでしょうか? 
Therapeutic Advances in Urologyという雑誌に2011年11月に掲載された 「Medical therapy for premature ejaculation」 という論文にその答えの手掛かりとなる内容が書かれています。この論文のタイトルは「PE(早漏)に対する医学的治療」というもので、PEの定義、分類、診断、治療などについてわかりやすくまとめてあります(英語ですが…)。
PEの治療にはカウンセリングから、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)という抗うつ薬の一種を使用する方法まで様々です。ちなみに、日本では未発売ながらDapoxetineというPE治療のために開発された短時間作用型のSSRIもあり、明確な治療効果が実証されています。Dapoxetineについては、またいずれお話をしたいと思います。
この論文の中で、ED患者の1/3はPEを合併していると言われていて、ED治療薬はPE治療に一定の効果があると述べられています。しかし、データの絶対量が不十分なので、もう少し評価に時間がかかるとも考えられているようです。
話がやや逸れましたが、EDにPEが合併する原因としては、勃起を維持しにくいことが考えられているようです。
ED患者さんは勃起を十分に維持できる時間が短いために、射精を得るために過剰に刺激しようとする傾向があります。さらに、勃起自体を維持するためには強い刺激が必要であるため、結果として射精にかかる時間が短くなってしまうと考えられます。
バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬は勃起維持を容易にするため、結果としてPEの改善につながるのかもしれません。
当院のコラムでも紹介していますが、PE改善効果としてはレビトラがシアリスやバイアグラよりも高い効果を示したという報告もありますので、EDとPEにお悩みの方には有効な選択肢となり得るでしょう。


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