Vol.52 薬剤性EDについて

薬剤性EDとは、内服している薬が原因でEDになってしまうというものです。抗男性ホルモン薬などは想像しやすいと思いますが、実はかなりたくさんの薬がEDの原因となりうると言われています。
高血圧の治療に必要な降圧薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬、H2ブロッカー、高脂血症の治療に用いられる脂質異常症治療薬などが有名なところです。具体的には、以下の薬剤が挙げられます。

(降圧薬)
利尿薬(ラシックス、アルダクトンA、フルイトランなど)、αブロッカー(ミニプレスなど)、βブロッカー(インデラル、テノーミンなど)、カルシウム拮抗薬(アダラートなど)、ACE阻害薬(レニベースなど)
(抗うつ薬)
三環系抗うつ薬(トフラニールなど)、SSRI(パキシルなど)
(抗精神病薬)
フェノチアジン系 プロメタジンなど
(抗てんかん薬)
カルバマゼピン(テグレトールなど)
(睡眠薬)
フェノバルビタール(フェノバールなど)
(H2ブロッカー)
シメチジン(タガメットなど)
(脂質異常症治療剤)
スタチン系(リピトールなど)、フィブラート系(ベザトールSRなど)

下線が引かれた薬剤はED診療ガイドラインにて、EDを起こす頻度が中等度以上とされている薬剤になります。
上に書かれた薬の中でも、特に降圧薬と精神疾患の薬に関する薬剤性ED発生の報告が多いようです。
降圧薬ではアンジオテンシン受容体拮抗薬であるARB(ニューロタン、ディオバン、ブロプレスなど)はED発生の報告が少ないと言われています。
このように多くの薬が薬剤性EDを起こす可能性はあるのですが、ED以外の病気を治療するために処方されているので、自己判断で中止するのは危険なのでやめた方がいいでしょう。
高脂血症や高血圧を放置すれば、動脈硬化も進みますし、そもそも血圧が高すぎるとED治療薬を処方できない可能性もあります。
また、原因薬剤を中止してもEDが改善しにくいという報告もあることから、より慎重な判断が必要になってきます。
どちらにしても、まずED以外の病気の治療を優先することが多いでしょうね。