Vol.85 睡眠時無呼吸症候群とEDの関係について

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:以下SAS)という病気をご存知でしょうか?
SASは睡眠中に10秒以上の呼吸停止、つまり無呼吸が5回以上繰り返される病気です。主に、いびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状が認められます。また、SASは居眠りによって交通事故を引き起こしたり、高血圧、脳卒中、心臓病、糖尿病などの生活習慣病と密接に関係するなど、放置すると生命の危険に及ぶ可能性があります。ぽっちゃり体型でいびきがすごい人は要注意です。
このSASとEDの関係を調べた医学論文というのは海外では意外と多いようです。欧米のデータではED患者さん1025人のうち43.8%が軽度以上のSASと診断されたと報告されています。
SASのうち48%で射精障害や性欲低下が認められたという報告もあり、性機能への影響は無視できないものがあります。しかし、SASの患者さんの多くは肥満があったり、生活習慣病があったりと、EDの原因になる要素が多いので、その影響も考慮する必要はあると思います。
ちなみにSASの治療法ですが、経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal continuous positive pressure:CPAP)という器械で行います。これは、寝ている間に顔に特殊なマスクを密着させて、呼吸をほんの少しサポートするというものです。実際に見ると、こんな器械を付けて寝れるのかと思いますが、慣れれば睡眠の質はよくなるようです。
SASがEDを引き起こす一因と考えられているのは無呼吸による低酸素状態なので、これを改善するCPAPはEDにもいい影響を与えそうです。
実際、SASの患者さんにCPAPで治療をおこなったところEDが改善したという報告もあり、バイアグラなどのED治療薬を併用するとさらに効果的という論文もあります。ただし、これらは対象の患者さんの数が少ないので参考程度です。
まだ、日本ではSASとEDのデータは多くはないので今後の研究が待たれます。
最後に付け加えておきますが、バイアグラなどのED治療薬の副作用に鼻づまりがありますが、これはSASの症状を悪化させることがあるので注意が必要です。


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