Vol.95 妻だけEDとは?

今回のコラムは女性からの反感を買ってしまいそうなタイトルです。
「妻だけED」とは、読んで字のごとしですが、妻以外の相手(浮気相手や風俗など)ではセックスが成立するけれど妻が相手だとEDになってしまうことです。
多くのED治療患者さんを診察してきましたが、たまに聞く話なのでそれほど気にしていませんでした。しかし、テレビや雑誌などではたびたび特集されているようで「妻だけED」というフレーズのようになっています。
AERAなどが比較的熱心に取り上げていたようですが、今年は女性誌VERYでも取り上げられていたようでびっくりしました。記事は「イケないイケダン座談会 しのびよる妻だけEDの真実」というタイトルでした。VERYは少しセレブ感があるママ雑誌というイメージだったのに東スポのようなタイトルですね…。
ちなみに「イケダン」とはVERYによる造語で「イケてるダンナ」のことで、
(1)「仕事をバリバリとこなしながらも家族を大切にする」
(2)「奥さんを手助けすることに躊躇しない」
(3)「外見もイケてる」
(4)「ファッションも手を抜かない」
といった条件を備えた夫のことだそうです。(1)(2)(4)は後天的な努力によって達成可能ですが、(3)に関しては先天的な要素が大きすぎるので「ただしイケメンに限る」と同義語と思われます(笑)。
そのような完璧なイケダンもそうじゃない方も妻だけEDになることはあります。
いろいろなメディアがいろいろな理由を書いていますが、外来にて話を聞いていると私の経験上では…
(1)妻が不妊治療中でセックスの日時を完全に指定されてから突然ED
(2)妊娠を機に妻にセックスを拒否されそのままED
(3)子供ができた後、妻というより母親に見えてしまう
(4)原因不明
(5)年を取った妻より若い女性が好き
などが挙げられます。(1)は妊娠してしまえば解決ですが、(2)(3)(4)はなかなか根深い問題です。会話やスキンシップなどの改善から始めるべきだという意見も多いのですが短期的な解決が見込めませんので、思い切ってED治療薬を使ってしまった方が良いでしょう。妻とセックスをする意志はあるのであれば、悪循環にはまって本当のセックスレスになる前に治療すべきです。妻だけEDは広い意味での心因性EDですから薬はよく効くと思います。
しかし、(5)に関しては女性からお叱りを受けそうですね。この場合、イケダンにおける「外見もイケてる」と同様、先天的な要素が強すぎるうえ、妻とのセックスを行う意志がないことがほとんどですので、これまたいかんともし難い思われます…。
「妻だけED」の話ばかりをしていますが、実際にはそのような方は少数派です。逆に自分がEDであることで妻を十分に喜ばせてあげられないと悩んで来院されるケースの方が圧倒的に多いと思います。
あまり「妻だけED」という言葉が一人歩きをしてしまうと、「どうせ外で遊んでいるんでしょ?」「私以外なら大丈夫なんでしょ?」など女性からの心無い発現が増えそうで心配です。
「妻だけED」なのか「誰とでもED」なのかは判別不可能なケースも多数ありますので、あまりナーバスにならず、まずはご相談いただければと思います。


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