Vol.14 ED治療薬は前立腺肥大をよくするのか?

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ED治療薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスとありますが、総称としてはPDE5阻害薬と呼ばれます。PDE5はホスホジエステラーゼ5という酵素で、細胞内のサイクリックGMP(cGMP)という物質を分解します。cGMPは血管拡張や神経伝達などにも影響する重要物質です。
cGMPは一酸化窒素(Nitric oxide: NO)によって、生成されているため、この経路をNO/cGMP経路と呼ばれます。
PDE5を阻害することでcGMPの分解が抑えられ、結果としてcGMPが増えるため陰茎の血流がよくなりED改善効果が生じます。
PDE5阻害薬であるED治療薬は、実はED以外の病気にも有効であるケースが散見されます。今回は前立腺肥大への有効性を調べた研究をご紹介します。
前立腺肥大はED同様、高齢男性に非常に多くみられる病気です。
夜間の頻尿であったり、尿が出にくくなったりすることで気づかれることが多いです。
前立腺肥大の治療は前立腺の平滑筋の緊張をほぐすことが有効であるため、現在はα1ブロッカーという薬で治療することが多いです。
NO/cGMP経路は前立腺の平滑筋を弛緩させる作用があるため、前立腺肥大の治療にも有効であると考えられます。
実際、PDE5阻害薬をα1ブロッカーと併用することで前立腺肥大に有効であるという報告が海外でいくつか出ています。
2010年にCurrent Opinion in Urologyという雑誌で「Phosphodiesterase-5 inhibitor and benign prostatic hyperplasia」という論文が発表されているのですが、この中でED治療薬が前立腺肥大に有効であったという研究をまとめています。
この中で、バイアグラ、シアリスはα1ブロッカーとの併用で、より高い前立腺肥大改善効果を認めています。
EDも前立腺肥大もどちらも高齢者の男性に多い病気であるため、ED治療薬が前立腺肥大の治療薬として使えれば、両方を同時に治療できる有効な選択肢になると考えられます。
しかし、長期のED治療薬の内服や、α1ブロッカーとの併用で血圧低下への懸念があることからも、より大規模で長期の臨床研究がまだ必要な段階であると最終的には結論づけてはいます。
前立腺肥大の治療薬として認められると、今と違って保険適応となる可能性もあるし、ついでにEDも改善されるとあっては、すごい人気がでそうですね。
しかし、これらの研究ではバイアグラは25mg/日、シアリスは20mg/日の内服を行っています。
長期投与をするなら、おそらくですがα1ブロッカーとの併用による血圧低下を懸念して、ED治療に使用している 量よりは少なめになる可能性もありますね。
そのような場合にED改善効果がどの程度出るか・・・。
どちらにしても今後の研究が期待される分野ではあります。

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