うつ病は現代で非常に多い病気です。
一見するとEDとは関係がなさそうですが、実はうつ病とEDには深い関係があります。
EDの原因として酸化ストレス、社会的ストレスがあることは以前書きましたが、これら2つのストレスは実はうつ病の原因ともなるのです。
酸化ストレスは一酸化窒素(NO)を減らしますが、NOは陰茎の血管を拡張して勃起を起こすのに重要な役割を果たしていますが、実は神経細胞の伝達にも関係しています。このためNOの減少により血流の低下だけでなく神経の情報伝達が障害されます。この情報伝達障害はうつ病の原因になります。
また、社会的ストレスは交感神経を活性化させ、緊張状態を継続させます。これにより、精神的な防御としての逃避行動が生じ、こちらもうつ病の原因となりえます。
アメリカのある報告によると、ED患者の約1割がうつ病であったとい驚くべきデータもあります。このことからも実際にEDとうつ病の深い相関関係がうかがわれます。
うつ病の治療の基本は抗うつ薬の投与ですが、抗うつ薬はNOを増やす作用があります。バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬もNO産生を促進することが知られており、抗うつ薬とED治療薬には一部共通点があるというわけです。
うつ病とEDの意外な関係ですが、両方とも深刻な病態ですから、早期の治療が必要です。