勃起の機能に一酸化窒素や交感神経が関わってくるという話は、以前に書きましたが、実は男性ホルモンも勃起するうえでは非常に重要な役割を持っています。
男性ホルモンはテストステロンと呼ばれ、筋肉を増強したり、精神活動を活発にするという役割を持っています。それ以外に、テストステロンは一酸化窒素を増やして血管機能を正常に保つという働きもあります。つまり、男性ホルモンが減ると一酸化窒素が減りEDになりやすくなるわけです。
男性ホルモンは加齢やストレスで減少することが知られています。男性ホルモンが減るとEDになりやすくなるだけでなく、不安、いらいら、性欲減退、集中力・記憶力の低下などの症状が出ることがあります。このような状態は加齢性性腺機能低下症候群もしくはLOH症候群(LOH: late-onset hypogonadism)と呼ばれ、一種の男性更年期障害とも考えられます。
このようなケースではED治療薬以外にも男性ホルモン補充療法が必要になるケースもあるので注意が必要です。