ED治療薬レビトラは即効性が高く、強力で食事の影響も受けにくいという、なんとも便利な薬です。
そんなレビトラですが、ED治療以外にも意外な使い道があるようです。
ED以外の疾患の治療に使用されて有効だったという報告はかなり知っていたのですが、なんと今回は前立腺癌の検査に使用したというもの。ちなみに前立腺癌の手術はEDの原因にもなりますので注意が必要です。
この前立腺癌、進行が遅いために気づかれないこともありますが、実はかなりの確率で高齢男性に隠れているといわれています。採血でPSAという値を測定して、高い値だと詳細な前立腺生検という検査を行って診断を行います。
現在、前立腺生検の際には造影剤を使用して、血流を超音波検査で見ながら組織を取ります。レビトラを飲むと前立腺の血流がよくなりますので、より前立腺癌が発見しやすくなるんではないか、そんな考えから今回紹介する研究は行われたようです。
論文のタイトルはResults of vardenafil mediated power Doppler ultrasound, contrast enhanced ultrasound and systematic random biopsies to detect prostate cancer.
今年、The Journal of Urologyという雑誌に掲載されています。
150人の患者さんに古典的な12か所の盲目的前立腺生検に加えて、造影剤を使った狙い撃ち生検、レビトラを使用した狙い撃ち生検を比較したというものです。
詳細は省きますが、この研究から得られたデータは盲目的に生検するより、造影剤使用の狙い撃ちとレビトラ20㎎内服後の狙い撃ち生検の方が高い確率で前立腺癌を発見することができたというものでした。ただし、造影剤使用とレビトラ使用の間には有意な差はなかったようです。
結局、造影剤を使用していればいいじゃないかと思うかもしれませんが、造影剤と同様の検査精度をレビトラ20㎎錠で得られるというのは、検査の費用対効果を考えるとなかなかのものではないでしょうか。
検査にもED治療薬の使用を考えるというのは非常に興味深いですし、更なる研究が待たれますね。