はっきりしたEDの原因疾患がないにもかかわらず、20代、30代で明らかなED症状を示す患者さんが増えています。
これらのほとんどは心因性EDとよばれるものです。
心因性EDは厳密に分類すると幼少期のトラウマなど深層心理レベルでの「深層心因ED」と、日常生活でのストレスや過労、パートナーとのトラブル(「ダメな男ね」、「役立たずね」などと言われる)などが原因の「現実心因ED」に分類されます。深層心因の場合、大半は無意識ないし意識下の世界に原因があるため本人には見当がつかず、原因の解明までに長期間要し、治療が難しいケースが多くみられます。
ただし、多くの20代、30代のED患者さんが抱えているのは現実心因EDです。
以前のコラムでも書きましたが、ストレスや過労は交感神経の過緊張を起こし、EDの原因となります。それ以外にも、現実心因EDの原因は以下のものがあります。あてはまる方は要注意です。
(現実心因EDの「心因」)
緊張過剰、あせり、過労、睡眠不足、心配事、家庭内不和、経済的困窮、パートナーとの感情的トラブル、性的無知、性的未熟、初体験、新婚初夜、早漏、過去の性交の失敗、失恋、嫁姑問題、性感染症、別居、短小コンプレックス、マスターベーションへの罪悪感、妊娠恐怖、不倫、事故や災難、職場のトラブルなど
(深層心因EDの「心因」)
抑圧された怒り、憎しみ、妬み、不安、愛憎葛藤、欲求不満、幼少時における心的外傷体験、母子分離不全、去勢恐怖、エディプス・コンプレックス(潜在する無意識的な近親相姦欲求)、ホモ・セクシュアルなど
現実心因EDの患者さんには、ED治療薬は非常によく効きますので、気になる方は専門医を早めに受診されることをお勧めします。