レビトラは即効性があり、かつ強力なED治療薬です。このコラムでも、何度か取り上げていますが、ED治療以外にも様々な有益性が報告されています。今回は、動脈硬化に対するレビトラの有益性を示唆する報告があったので、紹介します。
Beneficial Effect of Vardenafil on Aortic Stiffness and Wave Reflections.というタイトルの論文がThe Journal of Clinical Pharmacologyという雑誌で9月に掲載されました。
タイトルはVardenafil(レビトラ)が動脈壁硬化と反射波に有益な効果を与えたというものです。
動脈壁硬化?反射波?なんだかわかりにくいですね。
簡単に言いますと、動脈の壁が固くなって、伸びにくくなることが動脈壁硬化です。動脈壁硬化は動脈硬化性疾患発症や全死亡率の強力なリスク因子になると言われています。
反射波は血液が流れ終わった後に、血管に跳ね返ってくる逆行性の波とでも言えばいいでしょうか。動脈壁硬化があると、高くなるのが特徴です。
この研究では、ED患者さんをレビトラ20mg内服群と偽薬群にランダムに振り分け、動脈壁硬化と反射波の変化を比較したというものです。
結果はレビトラ20mgを内服していた患者さん達が、有意に動脈壁硬化が低下して(柔らかくなって)、反射波も減少していたというものでした。
つまり、レビトラ20mgを内服すると危険な動脈壁硬化が改善するという結果が出たわけです。しかも、この状態はレビトラ内服後3時間で生じており、極めて速やかに動脈壁硬化を改善するというのも驚きです。
低用量シアリス連日投与法ならぬ、レビトラ連日投与法が開発される日も近いのでしょうか?
実際に動脈硬化性疾患の発症率や全死亡率を改善することができたら…まさに長寿薬!夢の薬ですね。ただ、長期の追跡が研究に必要ですから、証明するのは至難の業でしょうけれど…。
なんにせよ、ED以外の領域で次々と新しい発見があるPDE5阻害薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)には、これからも注目です。