Vol.90 男性ホルモンとEDの関係 その2
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男性ホルモンという名前は誰しも聞いたことがあると思います。単純なイメージですと男性ホルモンが多いと絶倫といったイメージがあるのではないでしょうか?
当院のコラムVol.20 「男性ホルモンとEDの関係」でも簡単に説明したことがあります。
しかしながら、もう少し踏み込んだ説明や実際のEDとの関連などについて今回は説明しようと思います。
男性ホルモンはアンドロゲンとも呼ばれるホルモンで、テストステロン、ジヒドロテストステロン、ジヒドロエピアンドロステロン、アンドロステロン、アンドロステンジオンなどがあるのですが、実際に生理活性が一番強いのがテストステロンなので、テストステロンを考えておけばほぼOKです。
ちなみにほとんどが睾丸で作られており、ほんの少しが副腎で作られています。
テストステロンの作用としては、2次性徴や筋肉量の増加、性欲や性衝動の亢進、さらにはメンタル面での意欲などにも影響を及ぼします。
血液中では生物学的活性がある(1)遊離型と(2)アルブミン結合型、そして存在すれども実質的には作用していない性ホルモン結合グロブリン(SHBG)に結合している(3)SHBG結合型が存在しています。
(1)+(2)+(3)=総テストステロン量
と、なります。
なんでこんな難解な話をしているかと言いますと、総テストステロン量が多いからといって男性ホルモンとしての作用が強いとは限らないということなんです。
つまり、ホルモンとして実際に作用する(1)と(2)が多ければいいのですが、(3)の割合が多いと実際のホルモンとしての作用は弱くなってしまうからです。
さて、この関係をEDに当てはめるとどうなるのか?そんな論文がこちらになります。
「Testosterone is Associated with Erectile Dysfunction: A Cross-Sectional Study in Chinese Men」
PLoS ONEという雑誌に2012年6月に掲載されております。
さて結果ですが、中国人の患者さんを対象にした研究ですが、この論文では総男性ホルモンがその年齢としては高めの方がEDの症状が悪くなっていったとのことでした!
えー?と思いますがよく読みますと(1)遊離型と(2)アルブミン結合型が低いほどEDの症状は悪くなったとのことです。加齢によりSHBGが増えていき、結果として(3)SHBG結合型のテストステロンが増えていき、見た目の総テストステロン値が高いほどEDの症状が悪くなっていくように見えたわけです。当然、加齢により(1)、(2)の活性型は減りますので、それが主な原因ではあるでしょう。
わかりにくいですが、結論としては活性型のテストステロンが減るとEDが悪くなりますよということですね。
なんでもそうですが、見た目のボリュームではなく内訳が大事ということですね…。
ホルモンが足りなければ補充すればいいじゃないか!という話もありますが、ホルモン補充療法につきましては長くなりますので今回は割愛させていただきます。
ちなみに当院ではホルモン補充療法は行っておりません。
男性ホルモンが少なくてもED治療薬は効果が出ますが、効き目が弱るという話もありますね。その話はまた今度しようと思います。
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