Vol.72 亜鉛は何をどれだけ食べれば大丈夫?

さて、以前のコラムで亜鉛不足を解消することによって性機能の改善が期待できることをご紹介しました。
Vol.51 EDと亜鉛
また、前回のコラムでは日本人の平均的な亜鉛摂取量が、厚生労働省の目標量を一日当たり1mg程度、推奨量を3mg程度下回っており、特に原因が思い当たらないEDの症状や突然の性欲減退が見られる場合には、経口亜鉛製剤として日本で唯一承認されているポラプレジンクをお試しになることをお勧めしました(唯一といっても本家のプロマックDをはじめ、ほかにも数種類のポラプレジンク製剤のジェネリック医薬品が処方されています)。
日本人の亜鉛摂取量が海外に比べて少なく、不足気味である理由としては、日本の土地が亜鉛に乏しい土壌であること、西欧人ほど大量の肉類を食べないことなどが挙げられます。また、食物中で最も多くの亜鉛を含む食材としては牡蠣(カキ)が知られていますが(可食部分100g当たり13.2mg程度)、毎日のように牡蠣を食べるような食生活をする人も、なかなかいませんし、養殖された海域によって牡蠣に含まれる亜鉛も異なり、安定摂取は困難です。食事からの亜鉛摂取内訳をみていきますと、日本人の場合、約60%を穀物や野菜から摂取していると報告されていますので、いかに土壌の亜鉛不足が大きく影響しているかがわかります。ちなみに残りは、肉類20%、海産物10%、卵5%、乳製品5%となっています。この内訳からすると、亜鉛をあと3mg追加摂取することは容易なことではありませんね。野菜や穀物にして現在の1.5倍以上、肉類では現在の2.5倍以上食べないと、推奨摂取量に到達しません。
一方で亜鉛の摂取量の上限は日本では一日当たり30mg、アメリカでは一日当たり40mgとされていますが、普段の食事のみで亜鉛摂取上限量を超えることは至難の業といえます。サプリメントや医薬品の亜鉛製剤を服用しない限り、亜鉛を取り過ぎて問題になることはまず、ありえないと言っていいでしょう。
というわけで、コラムの題名「亜鉛は何をどれだけ食べれば大丈夫?」に対する答えとしては、国産の野菜とお米を中心とした食事をしている限り、亜鉛摂取量が大丈夫ということはほとんどない、ということです。
ちなみにアメリカ人男性の一日平均亜鉛摂取量は14mgを超えており、日本人男性の1.6倍です。亜鉛不足は性欲減退(Libidoの減少)を引き起こしますので、コラムVol.6世界一セックスレスな国、日本でもご紹介しましたが、日本人が性的に消極的なのと関係があるかもしれませんね。