Vol.78 「最近朝立ちしない」はEDの危険信号~その4

以前のコラム、Vol.21 「最近朝立ちしない」はEDの危険信号 ~その2では、なぜ陸生哺乳類に朝立ち現象がみられるのか、60年以上の研究の歴史にもかかわらず、依然として不明であることをお話ししました。(ちなみにクジラやイルカなどの海生哺乳類は脳が片方ずつ眠る半球睡眠をするため朝立ちしないと言われています。)

朝立ち現象がなぜ存在するのか、いくつかある有力な仮説の中に陰茎血流トレーニング説というのがあります。この仮説は、定期的に勃起していないとペニスの勃起機能が衰えてしまうため、寝ている間に勃起トレーニングをしているのではないか、というものです。ヒト以外の哺乳類の場合、決まった時期に繁殖期があり、それ以外の時期には勃起する必要がないため、夜間に定期的にペニスを勃起させておかないと、血流や血管の進展性を維持できないのではないかと考えられています。もし、この仮説が正しいとすれば、朝立ちしないというのは陰茎血流トレーニングが十分に行われない状態を指し、ペニスの勃起能力維持が損なわれることになります。
実は最近、この仮説を裏付けるような研究がいくつも発表され、注目を集めています。

Xiao F et.al. Nocturnal penile tumescence and the effect of tadalafil on erectile dysfunction. Zhonghua Nan Ke Xue. 2010 Oct;16(10):954-8.

Mulhall JP. Penile rehabilitation following radical prostatectomy. Curr Opin Urol. 2008 Nov;18(6):613-20.

Aydogdu O et.al. Tadalafil rehabilitation therapy preserves penile size after bilateral nerve sparing radical retropubic prostatectomy. Int Braz J Urol. 2011 May-Jun;37(3):336-44; discussion 344-6.

これらの論文にはシアリスの定期服用によって朝立ちする頻度が大幅に増えること、ペニスの血流が夜間勃起で増加することによってペニスの虚血性変化(血流不足による組織変性や細胞死)を予防する可能性があること、前立腺癌手術後のように長期間勃起しない場合には勃起リハビリ(バイアグラやシアリスを定期的に服用する)をすることによって、ペニスのサイズや勃起能力が衰えないようにできることが報告されています。バイアグラ、レビトラ、シアリスといったED治療薬が臨床の現場で実際に、朝立ちの代わりとして使用されていると捉えることもできます。最近朝立ちしないという方は、何らかの手段で定期的に勃起を促しつつ、今後の展開を注視したいところですね。

関連コラム
Vol.9 「最近朝立ちしない」はEDの危険信号 ~その1
Vol.21 「最近朝立ちしない」はEDの危険信号 ~その2
Vol.25 「最近朝立ちしない」はEDの危険信号 ~その3
Vol.79 「最近朝立ちしない」はEDの危険信号 ~その5


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